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【第11回 甲南大学書評対決】 桜井弘著 『生命にとって金属とはなにか : 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体』

10月14日(火)に開催された第11回 甲南大学書評対決(主催:甲南大学生活協同組合)で紹介された本です。

 

フロンティアサイエンス学部教授 藤井敏司?先生からのおすすめ本です。

 

 

書名:生命にとって金属とはなにか : 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体
著者: 桜井弘
出版社:講談社ブルーバックス
出版年:2025年

藤井先生1冊目のおすすめ本です。先生の専門分野の本です。

 

以下、先生の書評です。

 

私の専門は「生物無機化学」という学問で、生物の中で鉄や銅などの金属イオンがどのような働きをしているか、を調べることが主たる研究テーマです。
本書は、もともと金属イオンを薬物に利用する研究をされていた桜井先生が、我々、生き物がいかにして地球上に生まれてきたか、また、その際に種々の金属イオンがどのような役割を果たしたか、を最新のデータを交えながら平易に解説してくださっています。
今、これを読んでいるあなたも、金属イオンの働きがなければ、この世に存在していなかったのです。文系の皆さんには少し難しい部分もありますが、是非一読して、自分の存在がいかに奇跡的か、を追体験してみてください。

 

 

第11回 甲南大学書評対決、生協書籍部で実施中!

もあわせてご覧ください!

上林朋広(文学部)『剝き出しの帝国 : レイシズムと植民地主義はいかに世界を支配し続けているのか』

■『剝き出しの帝国
明石書店 , 2025.9
■ 請求記号 316.8//2096
■ 配架場所 図書館1階?教員著作コーナー
■ 編著者 上林朋広 (文学部) [ほか]訳

<自著紹介>
本書『剥き出しの帝国』は大胆な見取り図を提示しています。世界各地に版図を広げた西洋帝国主義は、人種主義、先住民の虐殺、植民地支配に基づいている。そして、帝国主義によって築かれた不平等な構造は、第二次大戦後の脱植民地化の時代を経ても、絶えず「アップデート」されて現在まで継続している。この二つです。啓蒙主義の時代からトランプ再選の現在まで、長い射程を持つ本書を読み、刺激を受けてもらえればと思います。

KONANライブラリサーティフィケイト学生企画『本の地図なき旅』を展示しています

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『本の地図なき旅』

展示期間 :2025年 9月2日(火)~ 2025年10月末まで
展示場所:図書館1階ゲート前

 

 

 

2025年4月から開催していた学生企画「本の地図なき旅」がついに完成しました!

この企画では、ジャンルを問わずおすすめの本を紹介し合って、知らなかった分野にも気軽に“旅”できるような読書体験を目指しました。アンケートには、2回の実施でなんと200人以上、合計288件もの回答が集まりました!たくさんのご参加、本当にありがとうございました!

紹介された本はファンタジー、ミステリー、自己啓発などさまざまです。図書館にある本も展示してますので、実際に手に取って読んでいただけます。
「こんな本があるんだ」「ちょっと読んでみようかな」と思えるような、そんなきっかけになっていたら嬉しいです。

展示は10月末まで続いています。まだ見てない方も、ぜひ図書館で“読書の旅”を楽しんでみてください!

企画者: 経済学部3年生  U

図師宣忠(文学部)『史料と旅する中世ヨーロッパ』

■『史料と旅する中世ヨーロッパ
ミネルヴァ書房 , 2025.4
■ 請求記号 230.4//2143
■ 配架場所 図書館1階?教員著作コーナー
■ 編著者 図師宣忠 (文学部), 中村敦子, 西岡健司編著

<自著紹介>
過去の世界を解き明かすには、現代に残された「史料」(=証拠?手がかり)が必要となります。本書には、中世ヨーロッパを生きた人々(国王、皇帝、教皇から都市民、農民に至るまで)の痕跡をさまざまな史料のなかに探り、過去の現実に迫るためのアプローチが紹介されています。執筆者が「とっておき」の素材をもとに、それぞれの史料を紐解き、そのおもしろさを示していますので、みなさんもぜひ中世への「旅」に出かけてみませんか? 本書には、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、歴史的な事象を多角的に捉え、自分の頭で考えてみるためのヒントが詰まっています。

九鬼周造博士の書き入れがある『Propos sur le temps (時間論)』をデジタルアーカイブから公開しました

 甲南大学図書館の九鬼周造文庫で保管されている、哲学者?九鬼周造博士の『Propos sur le temps (時間論)』を、甲南大学デジタルアーカイブから公開しました。

Propos sur le temps (時間論)  
https://archive.konan-u.ac.jp/il/meta_pub/G0000861konanu_L00403

 『Propos sur le temps』は、九鬼博士がフランス留学中の1928年にPhilippe Renouardから出版されたものです。

 九鬼周造文庫で保管されている九鬼博士の著作のうち、九鬼博士本人による書き込みがある手沢本はこれまで「『いき』の構造」と「偶然性の問題」を 甲南大学デジタルアーカイブ から公開しておりましたが、新たに「Propos sur le temps」を追加しました。
 「Propos sur le temps」関連では、他に1928年にフランス Pontignyで行われた講演の原稿もデジタルアーカイブで公開しています。(草稿?原稿類>タイプ原稿)

 九鬼周造文庫の資料は、資料保護のために利用を制限しています。原稿やノートなど、甲南大学デジタルアーカイブから公開している資料、電子化が完了している資料は、原本をご利用いただくことはできません。
 九鬼博士の旧蔵書のご利用については、貴重資料の利用案内をご確認ください。収蔵されている本は、甲南大学機関リポジトリから公開している『九鬼周造文庫目録』でご調査いただけます。
 ご質問は、甲南大学図書館ホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください。

和漢籍資料の整理作業を行いました!(8/25,29)

8/25、29の二日間、書庫にある和漢籍資料の整理作業を行いました。
今回はライブラリーサーティフィケイトで応募のあった2名と学芸員課程の履修者2名にお手伝いをいただきました。

整理する資料は「金正宗文庫」です。
金正宗文庫とは
/lib/blog/archives/6123

寄贈いただいた資料を受入後、登録番号順に配架してあるのですが、分類別になっておらず、シリーズものが泣き別れていたりしています。
そのため利用しづらい状態になっていたので、分類順に並べ替えていきます。
対象はほぼ和装本で、その冊数は約2,500冊!

<1日目>
作業の前に手洗いをし、腕時計などひっかかりやすそうなものは外してからスタートします。
貴重書は白手袋をして扱うと思われがちですが、手袋をすることで手の触覚が鈍って事故につながる恐れがあり、また、手袋が和紙の繊維にひっかかって破損してしまうこともあります。
そのため、作業前には手洗いをし、きれいな素手で資料を取り扱います。
1人がリストの登録番号と分類番号を読み上げ、書架から3人がかりで捜索します。が、似たような番号がたくさんあるのでなかなかみつかりません…。
非常に根気のいる作業を黙々と続け、、すべての資料を並べ替えることができました!
Yさん、Oさん、お手伝いどうもありがとうございました!!

<2日目>
1日目に並べ替えが終わった資料には分類番号と登録番号が書かれたスリップが挟んであります。このスリップ1枚1枚に「金正宗文庫」というハンコを押していきます。他の和装本と紛れてしまってもこのハンコが押してあれば一目で「金正宗文庫」とわかります。
1日目の作業も地道な作業でしたが、こちらも地道な作業です。書庫の中でひたすらハンコを押していきます。
そして、こちらもすべての資料にハンコを押すことができました!
Nさん、Yさん、お手伝いどうもありがとうございました!!

参加いただいた学生さんからは「普段なかなか和漢書に触れる機会がなく、ハンコを押している時に見知った本の名前が出てくるなど、貴重な体験で楽しかったです。また機会があれば参加したいと思いました。」という感想をいただきました。大変な作業でしたが、楽しかったと言っていただけて、本当によかったです。またのご参加をお待ちしております!

KONAN ライブラリ サーティフィケイトでは、本を読む以外にも、ボランティアなど図書館でしか経験できないイベントにもご参加いただきます。今回のように普段触れることのできない貴重な資料を扱うこともあります。
自分も参加したい!と思った方、ちょっと興味あるかなと思った方、一緒に活動しませんか。
ご参加をお待ちしています!

KONANライブラリーサーティフィケイト